「読字トレーニング」 ソフトについて
目的と対象
- 目的:
- ひらがなが読めるようになること
- ひらがな文をスムーズに音読できるようになること
- 本を読むことが好きになること
- 指導者が児童の可能性と問題点を深く理解すること
- 対象年齢:
- 3歳以上
- 対象児童:
-
「読み」が苦手な児童
「読み」について特別な支援を必要とする児童
これからひらがなの学習をはじめる児童
- 問題の具体例
-
1文字づつ読む
拗音(ゃ・ゅ・ょ)・促音(っ)が苦手
読み間違いが多い
文字の違いが分かりにくい
文字が覚えられない
鏡文字が多い
形の違いが分かりにくい
- 想定利用者:
- 教職員および教育に係わるすべての人
- 児童の保護者
このソフトでできること
児童の「読む力」を育てます
2つの自由練習(「文字の自由練習」、「単語の自由練習」)と10の課題(「違うのどれ」、
「神経衰弱」、
「文字読み」、
「単語読み」、
「スポット」、
「並べ替え」、
「点滅 」、
「単語推測」、
「単語作成」、
「文章読み」)が用意されています。「読む力」を育てるため多角的なアプローチが可能です。
習熟度に合わせた課題を呈示します
コンピュータは過去のトレーニング履歴を分析し、児童の学習に最適な文字や単語を選択します。
無限のバリエーション
課題は内部の辞書を参照して無限に作成されます。
レポートを作成します
トレーニングの結果はすべて記録されます。トレーニングの履歴を元に児童の「読み特性」を示す6つの表と15のグラフからなるレポートを作成します。
複数の児童をトレーニングできます
スコアや設定はプレイヤー単位で保存されます。プレイヤーの登録数は無制限なので学校等でのトレーニングが可能です。
音声を記録します
トレーニング時の音声を記録できます。トレーニング開始時の音声記録と聞き比べて、向上度を確認できます。
できないこと
コンピュータゲームのように児童だけでトレーニングできません
利便性だけを考えた場合、児童だけでトレーニングをおこなえる方が好都合です。しかし、私たちはこのようなやり方に少し懐疑的です。特に言葉の問題に関しては、人はコンピュータとは比較できないほど優秀です。トレーニングを通して指導者は、児童の多くの問題点や可能性を発見することができます。
本ソフトの主役は児童と指導者です。コンピュータはあくまでもアシスタントです。そのため、本ソフトでは既定のトレーニングだけでなく、指導者のアイデアが活かせるように設計されています。
機能の障害そのものを回復させることはできません
学習障害(LD)とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものです。この中で、特に文字を読んだり理解することに困難を示すものは読字障害と呼ばれます。その原因は多様ですが、その根底には中枢神経系に何らかの機能障害があると考えられています。
人間の脳は高い可塑性をもっています。本ソフトでは効率的なトレーニングによって、低水準の機能を底上げすること、そして他の正常な機能を使って失われた機能を補償することを目指しています。しかし、機能障害そのものを回復させることはできません。
課題とねらい
「読字トレーニング」では、2つの自由練習と10の課題を用意して、児童の困難さを効率よく、多角的なアプローチでトレーニングできるように工夫されています。
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形の把握 |
形の記憶 |
文字検出 |
音韻処理 |
語彙想起 |
違うのどれ |
◎ |
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神経衰弱 |
○ |
◎ |
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文字読み |
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|
◎ |
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単語読み |
|
|
○ |
|
○ |
単語推測 |
|
|
|
○ |
◎ |
点滅 |
|
|
|
◎ |
◎ |
スポット |
|
◎ |
◎ |
○ |
◎ |
並べ替え |
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|
○ |
◎ |
単語作成 |
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◎ |
◎ |
文章読み |
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|
○ |
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○ |
文字自由練習 |
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◎ |
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単語自由練習 |
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○ |
|
○ |
自由度の高さ
「読字トレーニング」はコンピュータゲームではありません。
用意された課題をただ解いていくのではなく、指導者は児童の力に応じてさまざまなヒントを与えることができます。
トレーニングを通して、指導者はより深く児童の問題点と可能性を知ることができます。
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