「読字トレーニング」ソフトについて
■ 目的と対象
- 目的:
- ひらがなが読めるようになること
- ひらがな文をスムーズに音読できるようになること
- 本を読むことが好きになること
- 指導者が児童の可能性と問題点を深く理解すること
- 対象年齢:
- 3歳以上
- 対象児童:
-
「読み」が苦手な児童
「読み」について特別な支援を必要とする児童
これからひらがなの学習をはじめる児童
- 問題の具体例
-
1文字づつ読む
拗音(ゃ・ゅ・ょ)・促音(っ)が苦手
読み間違いが多い
文字の違いが分かりにくい
文字が覚えられない
鏡文字が多い
形の違いが分かりにくい
- 想定利用者:
- 教職員および教育に係わるすべての人
- 児童の保護者
■ 方法
モデル
「読字トレーニング」の開発にあたって、文章を読み、理解するのに必要な能力について次のようなモデルを想定しています。
文章を読むことが苦手な児童は、これらの能力のいずれかの過程に支障があると考えられます。
ボトムアップとトップダウン
「読み」の過程はボトムアップ処理とトップダウン処理に大きく分けることができます。
「読み」におけるボトムアップ処理とは網膜で得られた視覚データから直線や曲線を抽出し、個々の組み合わせとして文字を認識する過程です。
トップダウン処理とは文脈を把握することにより、単語をなどを高速に予測、補完する過程です。トップダウン処理を説明するのによく使われる図を示します。
もし、目に飛び込んだ文字が [ THE CAT ] であったなら、トップダウンの処理がボトムアップの処理より優位に働いています( THE の 「H」 と CAT の 「A」 が全く同じ形であることを確認してください)。
実際の「読み」では双方の過程が互いに補うようにして生じていると考えられます。
一方の過程に問題を持つ児童も、他方の過程をトレーニングすることにより「読み」能力の向上が期待できます。
課題とねらい
「読字トレーニング」では、2つの自由練習と10の課題を用意して、児童の困難さを効率よく、多角的なアプローチでトレーニングできるように工夫されています。
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形の把握 |
形の記憶 |
文字検出 |
音韻処理 |
語彙想起 |
違うのどれ |
◎ |
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神経衰弱 |
○ |
◎ |
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文字読み |
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◎ |
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単語読み |
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○ |
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○ |
単語推測 |
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○ |
◎ |
点滅 |
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◎ |
◎ |
スポット |
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◎ |
◎ |
○ |
◎ |
並べ替え |
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○ |
◎ |
単語作成 |
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◎ |
◎ |
文章読み |
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○ |
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○ |
文字自由練習 |
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◎ |
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単語自由練習 |
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○ |
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○ |
詳しい課題内容と方法については 「課題を行う」を参照してください。
自由度の高さ
「読字トレーニング」はコンピュータゲームではありません。
用意された課題をただ解いていくのではなく、指導者は児童の力に応じてさまざまなヒントを与えることができます。
トレーニングを通して、指導者はより深く児童の問題点と可能性を知ることができます。
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